なまはげ:12月31日夜
としどん:12月31日夜

全国的に有名になった秋田県男鹿半島の「なまはげ」。一方で生活スタイルの変化等により呼ばない家が増えたり、継承者不足であったりと、存続が年々難しくなってきている。
大晦日の夜に家々をめぐるなまはげ。子どもにとっては恐ろしい存在だが、迎える家では、酒や料理を用意して「なまはげ」をもてなす。
「としどん」に日頃の行いを戒められた後、ご褒美のトシモチを背中にのせてもらう子ども。

古態をとどめる貴重な年越しの行事

 

 元旦は祝日である。春夏秋冬、季節がはっきりしている我が国では、古来太陽光が弱くなる冬至を過ぎて新年を迎えた。加えて日本列島は地勢の変化に富み、それぞれの地域に生活した人々の歴史も長く、正月神事は、地域によって様々に変化した。その中から古来の古い信仰を守る来訪神の祭りから二つ選んだ。


なまはげ
一二月三一日夜 秋田県男鹿市
としどん
一二月三一日夜 鹿児島県薩摩川内市下甑町


 今日、わが国では、正月神事が盛んである。元日を迎えて神々は大忙し。古来の火の神、水の神、諸々数多の鬼神、獅子神はもとより多彩化した庶民の願いに応じ、神々も対応してくれる良き時代に遭遇している。

【アクセス】
なまはげ:JR男鹿線男鹿駅下車
としどん:JR鹿児島本線串木野駅下車串木野新港より船

写真と文章:渡辺 良正


2018年に、ここで紹介した「なまはげ」と「としどん」は、「来訪神:仮面・仮装の神々」として、ユネスコ無形文化遺産として登録されました。
  他に登録されたのは、吉浜のスネカ – 岩手県大船渡市、米川の水かぶり – 宮城県登米市、遊佐の小正月行事 – 山形県飽海郡遊佐町、能登のアマメハギ – 石川県輪島市・鳳珠郡能登町、見島のカセドリ – 佐賀県佐賀市、薩摩硫黄島のメンドン – 鹿児島県鹿児島郡三島村、悪石島のボゼ – 鹿児島県鹿児島郡十島村、宮古島のパーントゥ – 沖縄県宮古島市、以上の8行事です。