小松豊年獅子踊 大光院(上小松) その他 8月16日
諏訪神社(上小松) その他 8月27日
中獅子踊り 中地区公民館等 8月14日
燃えさかる火の輪をくぐる獅子
まるでサーカスのようだ。燃えさかる火の輪に向かって獅子が走り出し、一瞬の間にくぐり抜けた。
山形県の川西町に伝わる「小松豊年獅子踊」である。東日本に数多く分布するいわゆる三匹獅子舞の一つ。
関東では、獅子がお腹につけた太鼓を叩きながら踊るのが一般的だが、ここでは仲立・花笠・早乙女の七人が太鼓を叩き、獅子とともに踊る。このサーカスのような火の輪くぐりが見られるのは、「中の庭」という演目の終盤だ。牡獅子・牝獅子・供獅子のうち、火に向かうのは牝獅子である。
ほかに隣接する飯豊町にも、輪くぐりをする「中獅子踊り」がある。現在は布を巻いた三つの輪をくぐるが、火の輪を使う年もあったという。輪くぐりにも驚くが、それ以上に注目すべきは、大人も子どもも皆で地区を廻って各所で演じている光景だ。日本の夏の一コマが、こんな形で残っていることが何とも嬉しい。
【アクセス】
小松豊年獅子踊
大光院 JR米坂線「羽前小松駅」下車 徒歩15分
/諏訪神社 JR米坂線「羽前小松駅」下車 徒歩26分
中獅子踊り
中地区 JR米坂線「萩生駅」下車
写真と文章:久保田裕道