1月14日

豊作祈願の神事


 会津盆地の西部にある会津坂下(ばんげ)町は越後路への宿場町として開けたところ。

 江戸時代初期の頃、町が新しく整備されたのを機に市神様の前で、上町下町に分かれて「米俵引き」を始め、上町が勝てば米の相場(値)が上がり、下町が勝てば下がると占ったのが伝統行事として続けられていた。

 明治に入って中断していたが、昭和三十年の町村合併を機に、五穀豊穣、商売繁盛の祈願を込めた正月行事として復活した。

  厳寒の中、下帯一つの裸の男たちが大太鼓の音を合図に巨大な俵を両側から太い綱で引き合う様は、見るからに勇壮である。米俵は直径2メートル、長さ3、4メートル、重さ3トン。勝負は3回。年によっては雪の降る中で「ドーン、ドーン」と太鼓の音、「わっしょい、わっしょい」と掛け声が観衆をも興奮に巻き込み、盛んに声援を送る。

 大俵引きは例年午後2時頃だが、近年はその前後に、俵太鼓の演奏や、スポーツ少年団東西対抗小俵引き、鏡割り、福餅つき、福俵365個まきなど、新春にふさわしい楽しいアトラクションが加わり、大勢の人出で賑わっている。

大俵引き

【アクセス】
只見線会津坂下駅下車徒歩10分
福島県河沼郡会津坂下町